生ニンニク半年食べ続けたら…?コレステロールには効果なし

 試験管での実験や動物実験で確認されているニンニクが悪玉コレステロール(LDL)を抑制する効果について、成人を対象に実験してみたところ、とくに効果はみられなかった。被験者の一部は生のニンニクを半年間にわたり食べ続けた。

 スタンフォード大予防医学調査センターのクリストファー・ガードナーさんらが専門誌で発表した。

 それによると、ガードナーさんらは血圧がやや高い192人の成人を4つのグループに分け、生のニンニク(サンドイッチなどで)▽粉状にしたサプリメント▽成分を抽出したサプリメント▽偽薬-をそれぞれ、週6日、1日ニンニク1かけ分、6カ月にわたって食べてもらい、毎月血液検査をしてLDL濃度の変化を調べた。

 だが、LDLのほか、中性脂肪の濃度についても、4グループで目立った違いは表れなかった。ニンニクに含まれるアリシンがコレステロールの生成を抑制することは試験管で確認されており、「生のニンニクはLDL低下に必ず効果があると思っていた」とガードナーさん自身も驚いているという。

 ニンニクのサプリメントは2006年、1億6000万ドル(約192億円)を売り上げた。サプリメント製造・販売の業界団体のボブ・ボリスさんは「ニンニクにはコレステロール濃度の正常レベルを維持する効果はある」と話している。

産経新聞 - 2007年3月4日